以前にビー玉を使った木のおもちゃ『ビー玉ししおどし』を紹介しましたが、今回は、少しコンパクトにして普通サイズのビー玉で動くように作ってみました。
作った「ビー玉ししおどし」の作り方や作業の様子を紹介したいと思います。
ビー玉ししおどしをつくる作業工程
作る順序が決まっているわけではないので、どこから作ってもいいと思いますが、作りやすい順番に工程を整理しました。
大きいものから順番に組み立てていく感じですね!
作り方
土台をつくる
まずは土台をつくります。
大きさは全体のバランスを考えて自由に設定してもらって構いませんが、長さが短すぎるとビー玉のカゴが収まらなくなってしまうので、30cmくらいは確保しておきましょう。
支柱を埋め込むために形に合わせて溝をつくります。
ドリルとノミを使って、支柱の2か所と補強材の1か所の溝を確保します。全体の材料を切り出して、仮止めで組み立ててみて溝の大きさを調整します。
支柱を取り付ける
支柱は先端にレールをはめ込むための溝をつくります。
はめ込んだレールを固定するための丸棒を入れる穴(φ5mm)をドリルで開けておきます。
土台に設けた溝に支柱をはめ込んで垂直になるように調整します。位置が確定したらボンドで固定させます。
レールをつくる
レールは先端を切り欠いて、ビー玉を止めるためのストッパーを置くスペースを確保します。切り欠いた部分が大きくなり過ぎると先端の強度が弱くなるので注意が必要です。
このあたりの細かい部分は、仮止めで組み立てながら調整するのが良いです。
レールの底板はそのまま取り付けるとねじれに弱いので、裏側に補強材を3か所取り付けておきます。
レールの位置が決まったらボンドで固定して、先端部分にはビー玉が落ちる穴を開けておきます。ピー玉がちょうど入るくらい(18mm程度)を確保します。
最後にストッパーを設置するための穴(Φ6mm)を開けた材料をボンドで固定させます。
ストッパーとビー玉が落ちる穴の大きさのバランスは重要!!
カゴをつくる
カゴはビー玉が入る大きさであればサイズはなんでもいいと思いますが、重要なのは重さとビー玉が出ていく部分の先端の角度です。
全体とのバランスを考えて、9cm×6cmくらいで作ります。先端の傾斜角度は、実際にどの位置でビー玉が出ていくかを確認しながら調整した方が良いです。
傾斜が緩すぎるとアームが下まで降りる前にビー玉が出てしまうし、急すぎるとカゴからビー玉が出ていかなくなります。
カゴの重さは15gとしました!
つり合いをとる
アーム部分を作るために、ビー玉の重さでアームが上下に動くように重さのつり合いを調整します。
この部分がこのおもちゃの一番難しいところ!そして、面白い動きをしてくれるための一番大切な部分!
前回も紹介した「てこの公式」を使ってそれぞれの重さと長さのバランスを調整します。
(A1 + A2)× a = B × b
久しぶりに公式を使った計算をやった気がする…..
この式が成り立つ場合に、釣り合いが取れてアーム部分は動かなくなります。
ビー玉が乗っている場合と乗っていない場合のつり合い状態となるおもりの重さを算出します。
【ビー玉が乗っている場合】
(5g+15g)×24㎝ = 40g × 12㎝
【ビー玉が乗っていない場合】
(5g+15g)×24㎝ = 30g × 12㎝
つまり、おもりの重さが
30g < おもり(B) < 40g
の中であればビー玉の重さによってアームが上下運動するようになります。
あとは、おもりの重さを調整しながら、ちょうどいいアームのスピードを探します。
今回は、おもりを37gにして作ることにしました。
アームのスピードも速くなり過ぎずにちょうどいい感じ!
アームを取り付ける
つり合い式から算出した位置にアームを取り付けます。
おもりは破材を37gになるようにカットして、アームをはめ込む穴を開けて取り付けます。
取り付ける高さは、アームがちょうど水平になるラインとして、支柱に穴を開けて丸棒を差し込みます。
細かい寸法はそれほど気にしなくても大丈夫!
ストッパーを付ける
ストッパーは円形の材料を使用して作ります。重くなり過ぎるとアームの返しでストッパーが上がらなくなってしまいます。
今回作ったストッパーは8gくらいになりました。
ストッパーは円形にしておいた方が、上下運動でストッパーの向きが変わっても特に影響がなくなります。
円の大きさは、3.5cmでビー玉が落ちる穴の半分以上が隠れるくらいの位置にくるように設置します。
ビー玉の転がる速度やストッパーの上がる高さなど、いくつかの条件が連動してるので、実際に動かして見ながら調整することをお勧めします。
以前作ったものとは全然違う形のストッパーにしました……こっちの方がシンプルでいい感じ!
付属をつくる
支柱を補強する
支柱やレールの部分は細い材料を使用していて、先端に力がかかると壊れやすくなっているので、補強材を取り付けます。
木造の家の梁部分に使われる火打梁(ひうちはり)のように、支柱とレール部分に丸棒とボンドで固定させます。
子供たちの遊び方は激しいので、強度はしっかり確保しておきます!
レールを補強する
レールの後ろ部分も空いた状態だとレールの強度が弱くなってしまうので、隙間の形に合わせて木材を削って、丸棒とボンドで固定して強度を上げます。
付属品がなくても動作に影響はないですが、長く遊べるおもちゃにするためには必要なこと!
土台の受枠をつくる
ビー玉が転がっていかないように土台に枠を作ります。
カゴの落ちてくる位置を確認して、ビー玉が飛び出さないくらいの高さと大きさで枠を作ります。
遊んでいない時のビー玉の保管場所としても利用できるので、レールに乗る分のビー玉が入るくらいの大きさで枠を作りましょう!
ワックスを塗る
ヤスリかけをして表面を滑らかにして、蜜ロウワックスを塗って布で拭き取ったら完成です!
木のおもちゃと相性のいい蜜ロウワックスはおすすめ!
ビー玉ししおどしの完成
動きが見ていて楽しいので、子供はもちろん好きなのですが、大人でもついつい見入ってしまうおもちゃです!
ビー玉ししおどしの動く様子
実際の動きはこんな感じです。
若干アームの動きがゆっくりですが、これはこれでありですね!
まとめ
ビー玉ししおどしは2回目の紹介になりますが、今回の方がより細かく作業過程を紹介しています。前回は作り終わった後に記事を書いたので過程の写真がなかったんです….
ビー玉のサイズも前回のものは大玉でしたが、今回は普通サイズのビー玉で本体自体もコンパクトにして作りました。
大玉サイズは勢いがあって動きはいいのですが、コンパクトサイズの方が滑らかな動きで保管もしやすくて気に入っています。
おもしろくて子供が気に入るおもちゃなので、興味がある方は試してみてはいかがでしょうか。