ビー玉を転がして遊べるおもちゃは、見ていて楽しくて飽きないので、大好きな子供たちが多いです。木のおもちゃと相性がとてもいいので、これまでにもいくつか作ってきました。
その中でも、ただ転がるだけでなくてビー玉の重さで他のものを動かすような連動した動きになるおもちゃは、より子供たちが興味を持って遊んでいるように思えます。
以前にワークショップで自分の作ったおもちゃを展示した際に、子供たちに人気だったのはビー玉と連動して動く「ビー玉ししおどし」でした。
今回は、そんなビー玉と連動して動くおもちゃの中で、「ビー玉エレベーター」を作ってみました。
ビー玉エレベーターの構成
ビー玉エレベーターは、ビー玉の重さを利用することによってカゴを上下に動かすおもちゃです。最初に少しの力を加えてあげれば、あとはカゴが自動でビー玉を運んでくれます。
重さのバランスによってカゴを動かすので、カゴと重りとビー玉の釣り合いを考えながら作る必要があります。
パーツの構成
ビー玉エレベーターは、滑車部分と支柱、土台の受皿で本体が構成されていて、それにカゴとレールを設置します。
レールのビー玉が一つずつカゴに入るようにストッパーを設置して、上がってくるカゴの動作によってストッパーが上がるようにします。
カゴの向きを安定させるためにガイドレールを設置してかカゴがレールに沿って動くようにパーツを取り付けます。
滑車は上部の板に2か所設置してカゴと重りがスムーズに動くように調整します。
ビー玉レールはストッパーが上がったと同時に次の玉が動くように傾斜を付けます。傾斜をつけ過ぎるとストッパーやカゴが下りる前に次の玉が出てしまうので、バランスを調整しながら傾きを決めます。
滑車は、だいたい5cmくらいの大きさのものを使っています。紐がまっすぐ垂らすことができる位置に板に穴を開けてカゴと重りを取り付けます。
レールのストッパーは、ビー玉のスピードと降りてくる動作のタイミングが合わないとうまくいかないので、試しながら調整が必要です。
このストッパーの調整が一番大変な部分かもしれません。かなり苦戦しました。
ビー玉エレベーターの仕組み
ビー玉エレベーターの動作
ビー玉エレベーターの動く仕組みは、レールからカゴに入ったビー玉の重さによってカゴが下降して土台に設置してある押出棒にビー玉が当たることでカゴから飛び出します。
空になったカゴは裏についているおもりによって上昇し、その勢いでレールの横についているストッパーを持ち上げます。そうすると次のビー玉がレールに入って同じ動きを繰り返します。
カゴか動く原理
カゴはつり合いの原理を利用して、ビー玉(大)の重さ約20gに合わせてカゴとおもりのバランスを調整します。まずはカゴを作ってビー玉との合計の重さを設定します。
今回は、カゴの重さが約30gになったので、ビー玉と合わせて50gになります。
おもりの重さは、30g < X < 50g に収まっていればいいことになります。
あまり、軽すぎでもビー玉が乗っていない時の動きが悪くなってしまうので、X=40gに設定します。
カゴの中の仕組み
カゴには3か所に穴が開いていて、側面の2か所はビー玉よりも大きい穴で、下面の穴はビー玉がハマるくらいの大きさにします。カゴが下まで下がった時に土台に設置してある押出棒に当たることで、受皿にビー玉が飛び出します。
押出棒は飛び出す方向に傾斜をつけておくとその方向にビー玉が飛び出してくれます。
ビー玉エレベーターの動画
ストッパー部分の速度の調整が繊細なので、途中で止まってしまうこともありますが、スムーズに動くとこんな感じになります。
まとめ
ビー玉で自動で動くおもちゃは作りが繊細になるので、細かな調整が大変になります。このビー玉エレベーターも同じように、かみ合わないと途中で止まってしまうことが多々あります。
特にストッパーの動きとビー玉の転がる速さの調整、カゴがガイドレールをスムーズに降りるように極力抵抗を少なくすることが難しいポイントでした。
最終的には、スムーズに動いて成功率も上がりましたが、子供たちはエレベーターの動きをじっと見ているだけでは物足りないみたいで、カゴを吊っている紐をいじります。
自分で紐を動かしてビー玉を運ぶという遊び方もよいかな・・・と思っていますが、実際には少し対象年齢の高いおもちゃなのかもしれません。