ビー玉を転がして遊ぶスロープのおもちゃはたくさんありますが、ビー玉が自動で登ることができるようになれば半永久的に動き続ける無限ループの仕組みを作ることができるのではないかと考えました。
そこで、いろいろ探してみたところ、「ビー玉階段」という仕組みのおもちゃを見つけました。
階段を互い違いに動かすことによって、ビー玉が階段を登っていく仕組みです。
この互い違い階段にスロープを取り付けて、無限ループのビー玉スロープを作ってみたので、その仕組みや作り方を紹介します。
ビー玉階段の構成
階段本体
階段本体の構成は、主に2つの階段パーツとレール部分になります。階段②は土台に固定させて、階段①をモーターで動かすことによってビー玉を持ち上げて運びます。
材料には余っている木材を利用したので、本体部分はメルクシパインの集成材を使いました。
インドネシアを中心とした東南アジアに分布するマツを原料とした針葉樹で、温かい地域で育つので広葉樹のような明るめの色合いが特徴的。
適度な硬さを持ち、耐水性も高い。加工性は良好で塗装もしやすい。
階段が互い違いになるように設置することで、ビー階段を登るようになります。
階段①
階段①のだいたいの寸法を記載していますが、階段②とのサイズが合っていればこの寸法に合わせなくても作ることができます。
今回は、蹴上:2.5cm 踏面:3cm で階段を作ることにしました。
メルクシパイン材の板厚は1.5cmなので、普通サイズのビー玉がちょうど乗っかるくらいの幅になります。
最上部と最下部にはレールを入れる穴:Φ6mmをドリルで開けておきます。
踏面はフラットだとビー玉が止まってしまうので、重ねる階段の内側に向けて勾配をつけます。
実際に作った時は試しながら少しずつ削っていきましたが、最終的には一番低いところに向かって0.5cmずつ下がった勾配が確保されれば、ビー玉はスムーズに動くようになりました。
①から④に向かって下がっていくように表面を削ります。
① = ② → ③(-0.5㎝)→ ④(-0.5㎝)
勾配は階段がある程度できてから、動かしながら削っていった方が失敗が少なくなります。
階段のレール
レールは直径5mmの丸棒を使って台座に取り付けます。
階段の上段側はレールが高くなってしまうので、設置台を設けてレールの長さが長くなり過ぎないようにします。
階段①に設けるレールの穴は、レールよりも少し大きい直径6mm程度を確保します。
階段②
階段②も階段①と同じ寸法で作って台座に固定させます。
全体の重さを軽くするために、中心部分を階段①に合わせてくり抜いていますが、そのままの状態でも大丈夫です。
階段②を台座に固定させるのに2つの足部分だけではすぐに傾いてしまうので、支持材を設けて垂直を保てるようにします。
駆動部
階段①を動かすモーターは、タミヤの4速クランチギヤーを使います。ある程度モーターに力がないと階段が持ち上がらないので、ミニ四駆などに使われている回転速度重視のモーターでは力が足りなくて動きません。
モーターの軸に直径8cm程度の円板を設けて、アームで階段①の本体と繋ぎます。円板がしっかり回るように丸棒を入れる穴は少し大きめに開けておきます。
モーターから本体への距離やアームの長さはモーターの種類に合わせて調整しながら取り付けてください。
最後にモーターの電池に木で作ったカバーをかぶせて駆動部分は完成です。
カバーはなくても平気です。ただの自己満・・・ですね。
スロープ部分
階段に合わせて、登ったビー玉をもとの高さまで戻すためのスロープを作ります。
スロープはビー玉を下まで下ろすことができればどんな形でもいいと思いますが、今回は3段の折り返しスロープから階段までにカーブするレールを接続させてルートを作ります。
スロープのサイズは台座の大きさによっても変わるので、細かい寸法は省略します。
作り方を知りたい方は、以前に紹介したくるくるスロープが作り方は少し違いますが、参考になると思うので、見てみてください。
↓くるくるスロープを作る
階段に擦り付けるレールの高さから逆算してスロープを作るとよいです。
ビー玉階段の動き
完成したビー玉階段の動きは動画で見ることができます。
互い違い階段もうまくスムーズに動いてくれるようになりました。
まとめ
ビー玉階段を作る中で一番難しかったのは、やはり階段の踏面に勾配を付けて削っていくところでした。結構削っていると思っても少しの凸凹があったりすると、ビー玉が止まってしまうので、すべての踏面がスムーズになるように調整するのが大変でした。
メルクシパイン材は丈夫なので、削っていくのも一苦労です。
階段が出来てしまえば、スロープやレールはどんな形でも最後に階段の最下部に擦り付ければよいので気楽に作ることができました。
子供が遊ぶおもちゃというよりも、ただ眺めるだけのものになってしまいましたが、動きが面白いからなのか、子供たちはスイッチを付けたり消したりしながら楽しんでくれています。