昔ながらのおもちゃの中でも、「今見ても、このおもちゃはよくできているなぁ・・」と感動させられてしまうものがあります。
今のように機械で動く自動式のおもちゃではないのに、自動で動き続けるレトロなおもちゃを見るとその仕組みに驚かされます。
今回はそんなおもちゃの中で、厳選した5つのものを紹介します。
ブリキ製 ゼンマイ式てんとう虫
チェコ製のゼンマイ式のおもちゃですが、1950年代からのロングセラー商品とのことで、とてもレトロな感じがかわいらしい商品です。
机の端などの先のないところまで進むと、自動で向きを変えて落ちないように動きます。
センサーなどはついていないため、触覚部分が段差を感知してタイヤの向きを変えるという不思議な仕組み。
今現在は、正規品として販売されているものはなさそうなので、中古市場で手に入れるしかない希少なおもちゃです。
じーじは持っていますが、私は持っていないので、どこかで巡り合う機会があればほしいですね。
UFOコマ
フェリモア コマ 空中浮遊 独楽 回転 UFO 円盤 科学 磁気 実験 子供 磁力 マジック 台付き (ブルー)
浮遊しながら回り続ける不思議なコマ・・・その名も「UFOコマ」。
正式名称は分かりませんが、まさしくUFOのように浮き続ける様子は、初めて見た時にはとても驚きました。
磁石の反発力と重力のつり合いで、コマが浮いた状態を保っています。言葉で表すと簡単なのですが、実際にそのつり合いを取るための微調整はとても難しい代物です。
磁石の台の微妙な傾きを調整しつつ、コマの重りも変えながらつり合いが取れるバランスを探ります。
コツをつかむとだんだん少ない回数で成功することができるようになりますが、最初は本当に全然成功しなくて、あまりにも成功しないものだから、不良品ではないかと疑ってしまうほど難易度が高いおもちゃです。
口コミにも星1つで、「浮遊しない」などの書き込みが多く見られるくらい難しいものです。
忍耐力と諦めない気持ちが養われるおもちゃ・・なのかもしれません。
ポンポン船
完全2個セットポニョ日本製教育レトロブリキ玩具ポンポン船ポンポン丸ブリキのおもちゃ
ポンポン船は、水蒸気の圧力で推進力を得る船舶玩具であり、ブリキのタンクをロウソクの火で加熱することによって圧力を生み出すおもちゃです。
昭和30年代頃まで、子供に人気のあった水遊びの玩具で、ロウソクの火で加熱されたタンクがポンポンと音を立てて水面を走ることから「ポンポン船」と呼ばれるようになりました。
私が子供の頃に遊んだことはなかったです。
仕組みについては、以前の記事でポンポン船を工作したもので紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
↓ポンポン船の工作についての記事
ドリンキングバード
marushin ドリンキングバード 水飲み鳥 平和鳥 科学 玩具 セット (青赤、2本)
昭和40年代に流行したおもちゃで「平和鳥(へいわどり)」、「水飲み鳥」とも呼ばれていますが、今は「ドリンキングバード」という名称で販売されていることが多いようです。
その名の通り、鳥が水を飲んでいるように首を動かしてくちばしを横に置いたコップの水面に近づける動きを繰り返します。
なぜ、水を飲んでいるように動き続けるのか仕組みを詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
私も詳しい仕組みは知りませんでした・・・
水飲み鳥は、「熱力学の法則」に基づいていて、科学の勉強の一環として利用されることもしばしばあります。
仕組みを簡単に言うと、頭とおしりの部分の温度差を利用して熱エネルギーを運動エネルギーに変更して動くものです。
これだけ聞いてもよく分からない・・・・
ポイントは、ガラス管の内部に入っている物質:ジクロロメタン(塩化メチレン)が液化・気化しやすいことです。
塩化メチレンともいい、常温では液体ですが、体温程度で沸騰する物質。塗料の剥離剤などの反応溶媒として用いられる。
このおもちゃは、水が蒸発する時に周りの熱を奪って温度を下げる特性・・いわゆる「気化熱」を利用しています。
頭部にまかれたフェルトの水が蒸発すると、気化熱が生じて頭部のガラス管に充填されているジクロロメタンの気体が一部液体に戻ります(液化)。
液体に戻るとガラス管内の気体体積が小さくなるので気圧が下がり、頭部と胴体部に気圧差が生じます。
その気圧差によって胴体部の液体が頭部に吸い上げられるようになります。そして、液体を吸い上げることで、頭が重くなって倒れます。
この時に頭部の液体が胴体の方に流れていき元の状態に戻ります。この動きを頭を冷やす水がなくなるまで繰り返します。
ほんとうによくできたおもちゃです・・・・
はしごくだり
小物玩具 昭和のおもちゃ はしごダルマ 手作り商品 キッズ
「はしご人形」とか「はしごダルマ」のように人形の名前を入れて紹介されていることもあります。
見たことがある方が多いと思いますが、このおもちゃは、「こま」がはしごを回転しながら落ちていく様子を楽しむものです。
仕組みは単純で、コマの穴の形とはしごの踏ざん(登る部分の棒)の形状を調整することで、コマが上下にきた時のみはしごから外れて下に落ちていくようになっています。
↓このように入口部分が狭くなっていて、はしごの踏ざんを長方形にすることで上下以外の部分から外れないようになっています。
この仕組みを利用すれば、はしごの形状でなくても同じように回転して落ちていくことができるので、他の形でも作ることができます。
↓違う形ではしごくだりを作った記事もよかったら参考にしてみてください。
このはしごくだりは、自作されている人が多いので情報が得やすいです。
まとめ
何十年も前のおもちゃですが、ほとんど当初の形や仕組みを変えずに、今でも科学の題材に取り上げられるものや入手困難で希少性の高いものなど、紹介したどのおもちゃも、今考えても面白い仕組みのものばかりです。
(UFOコマは比較的新しいもので、20年前くらいに販売され始めたようです。)
こういった科学的な要素が強いおもちゃは、難しさがある反面、奥深い面白さがあるので、子供がまだ小さすぎるとおもちゃの楽しさを理解することができないので、本当にそのおもちゃの楽しさが分かる年頃になったときに教えてあげると結構喜んでくれます。
我が家のお兄ちゃんは6歳になりましたが、以前よりも今回のおもちゃに興味を持ってくれるようになったので、これくらいの年齢からの方が、おもちゃの仕組みを学ぶことも含めて楽しんでもらえるのかもしれません。
デジタルのおもちゃもいいですが、たまには昔ながらのおもちゃで遊んでみるのもいかがでしょうか。